通院

今日はとても暑い。

半袖で家を出て、

持ってきた上着は一度も着ていない。

もうすぐ17時だというのに、

いつもより体がずっと熱いままだ。

今日は、初めて外から投稿している。

エネルギー切れを知らない子供たちが、

目の前の公園で走りまわっているのを見ながら、

狭いiPhoneの画面に地道に文字を連ねていく。

風に髪を揺らされながらブログを書くというのは、

広いところにいるのに狭いところに集中していて

なんだかもったいないと思う一方、

視線を上げれば、一気に広いという、

贅沢さもあるな、と感じる。

強迫性障害の治療で、通院している。

いまは薬は飲まず、認識療法を選択している。

今日は通院だったので、

ついでに散歩して、ついでにこのブログを書いている。

本当に、よくここまで良くなったと思う。

いまブログを書いているというのに、

この先、良くなったことについての感想でも綴ろうと思っていたのに、

何も言葉が出てこないくらい、

頭が空っぽである。

それが、本当に穏やかで、

本当にしあわせなのである。

一番状態が悪かったとき、

わたしはずっとベッドにいて、

縛られたかのようにベッドにいて、

なのに頭の中はフル回転だった。

思考が途切れることがなかった。

どうしてずっと寝ているんだ。

どうしてたったこれだけができないんだ。

どうやって言い訳しようか。

ちがう、わたしは悪くないんだ。

悪くないんだけど、ごめんなさい。

怒らないで。ごめんなさい。

でも、わたしが悪いけど、

でも、わたしもどうしようもないんだ。

だから、ちがうんだ。

これはわたしの意思じゃない。

だからわたしはだめじゃないけど、

動けないからだめなんだ。

どうして

どうやって

何をすれば

何と言えば

昨日、久しぶりに８時間ほど外出したら、

普段ではありえない疲労感で、

帰宅後しばらく夢の中にいた。

起きたら、ごはんを作る時間で、

でも体が重く、すぐ機敏に動ける状態になかった。

そのとき、一瞬頭が言葉に占拠された。

どうしよう

旦那さんになんて言おう

どうしよう

どうしよう

どうしよう

ラインに「ごめ」までうって、消した。

なんで謝る？何を謝る？

とりあえず落ち着こ。

まぁ旦那さん鬼じゃないし、

旦那さん帰ってきたときにまだ多少作り途中でも、

ごめーんちょっと待っててって言おう。

あと、わたし疲れてるんだから、

たまにはパスタでもいいかな。

こういう日のためのパスタだ！

旦那さんの大好きなピーマンはあるし、

チャプチェは明日にしよう。

１５分くらいフンフンと考えていたら、

そのうち体と頭が起きてきた。

きのこと豚肉のパスタ

生ピーマンのナムル

椎茸と卵の中華スープ

ミニトマトとキムチを出し忘れた。

本当はもう一品ほしかったけれど、

今日はこれがわたしだ。This is me.

ごはんの後、

旦那さんにそろそろお風呂と言われ、

お風呂まだ洗ってない。少し待ってねと言った。

ごめんね。は言わなかった。

旦那さんも、普通だった。

昨日の回想を終えて、視線をあげた。

公園にいる子どもの数が、少し減っている。

近くで、赤ちゃんがぐずる声が聞こえる。

薄い水色の空が、大きく大きく広がって、

建物がほんのりオレンジ色に、淡く照らされている。

隣でおばあさんが、プリングルスを食べている。

あいかわらず、頭は空っぽである。

でも、心にたくさん詰まっている。

自分が、大事な人が、好きなことが、

たくさん詰まっている。

そろそろ寒くなってきた。

上着を着て、オレンジ色の空を見ながら、

お家に帰ろう。

そして今日こそ、チャプチェを作るのだ。